マーケティングのイメージ
Q

BtoBマーケティングと営業の実践的な連携方法とは?

A

計測可能な共通KPIを定義し、共通認識を持って課題解決を図る。

まず、マーケティングと営業で共通のKPIを定義し、継続的に計測できる仕組みを構築します。その上で、業務プロセスごとの役割と主要指標を明確にし、定例会などを通じて課題に対する共通認識を持ち、必要な対策を実施することで、KGI(重要目標達成指標)の最大化を目指します。

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マーケと営業の共通KPIをどう定義するか?

マーケティングと営業で共通の指標を明確に定義し、双方が同じ数値を確認できる仕組みを整えます。具体的には、以下のような指標を設定し、それぞれの条件を定義します。定義内容は事業の性質や社内体制に応じて適切に選択しますが、必ず計測可能な条件とすることが重要です。
流入チャネル
有効リード
商談率
商談
成約率
成約
オーガニック
25
20%
5
20%
1
Web広告
100
25%
25
20%
5
Web媒体
25
40%
10
20%
2
展示会・セミナー
100
5%
5
20%
1
アウトバウンドコール
--
--
5
20%
1
代理店紹介
--
--
4
50%
2
流入チャネル
費用
有効リード獲得単価
商談獲得単価
成約獲得単価
オーガニック
¥0
¥0
¥0
¥0
Web広告
¥1,000,000
¥10,000
¥40,000
¥200,000
Web媒体
¥500,000
¥20,000
¥50,000
¥250,000
展示会・セミナー
¥500,000
¥5,000
¥100,000
¥500,000
アウトバウンドコール
¥250,000
--
¥50,000
¥250,000
代理店紹介
¥200,000
--
¥50,000
¥100,000

リード(MQL:Marketing Qualified Lead)

商材への興味・関心が高く、営業に引き渡すべきリード。初期フェーズでは、商材に関するコンバージョンポイントをリードとし、ホワイトペーパーの資料請求やセミナー申し込みなどは潜在層リード(UQL:Unqualified Lead)として振り分けるとシンプルに運用できます。

リードのコンバージョンポイントの例

有効リード

架電やメールによって商談化を目指すべきリード。個人の判断にばらつきが出ないよう、有効リードにならない条件(無効理由)を明確に定義し、該当しないリードのみを有効リードとして扱いながら、必要に応じて無効条件を追加することで、マーケティングと営業の認識齟齬を軽減し、安定した計測ができるようになります。

無効理由の例

商談

営業担当が具体的な提案や見積もりを進める段階であり、対面・Web相談・電話などを通じて詳細なヒアリングを行います。商談化の条件を明確に定めることで、商談からの成約率を安定させることが重要です。これにより、クロージングの効率化だけでなく、商談を通じて事業の見通しを立てることができ、マーケティング戦略の精度向上にもつながります。

商談化の条件例

成約または成約合意

成約とは契約が正式に成立した状態、成約合意とは担当者間で合意が取れた状態を指します。社内の事業KPIに合わせて、どの段階を指標とするかを明確に定義します。

成約・成約合意の条件例

ポートフォリオ

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共通KPIを継続的に計測する仕組みを構築する

様々な流入チャネルのデータと連携してCRM(顧客管理ツール)で統合管理するのは困難な場合が多いため、営業が管理する顧客データとマーケティングが管理するチャネル別の広告費データをGoogleスプレッドシートやLooker Studioで管理するのが現実的です。

顧客データの管理方法

顧客データを管理する際に、各リードを流入チャネル別に管理する必要があります。そのために事業に応じた流入チャネルカテゴリの定義と、流入チャネル、UTMパラメータをリード情報に格納できるようにします。

流入カテゴリ例

顧客データの管理

顧客データの管理ツールは様々なものが用意されていますが、以下に代表的なものをご紹介します。

Salesforce(大規模事業向け)

顧客管理(CRM)を中心に営業支援、マーケティングオートメーション、カスタマーサポートなどを統合したクラウドプラットフォームです。高いカスタマイズ性があり、ほとんどの要件に対応できるツールですが、導入には業務フローの精査、設計、開発が必要で、専門家を交えてしっかりした導入・運用体制を整えない限り、活用が困難です。すでに導入実績があるか、詳細なツール比較の結果、適切と判断された場合に導入します。

HubSpot(中規模事業向け)

CRM(顧客管理)を中心に、営業、マーケティング、カスタマーサポート、コンテンツ管理を統合したクラウドベースのプラットフォームです。使い勝手がよく、ほとんど開発が不要でバランスのとれたツールですが、Salesforceほどカスタマイズ性に優れておらず、機能ごとに有料プランの導入が必要なため、ある程度の規模の事業で活用することがおすすめです。

Googleスプレッドシート(小規模事業向け)

事業が開始した直後など小規模のうちはGoogleスプレッドシートでも十分管理できます。ただし、リードデータのヌケモレを防ぐため、Webリードが発生した場合には自動的にスプレッドシートにデータが追加されるようにしておく必要があります。WordPressであれば、CF7(Contact Form 7)とCF7 Google Sheet Connector Proなどで非常に低価格で対応できます。

KPIの統合管理シート

顧客管理データと広告データや流入チャネル別の費用データから統合的にKPI管理します。データ量が膨大になりすぎない場合はGoogleスプレッドシート、データ量が膨大な場合はLooker Studioがおすすめです。

Googleスプレッドシート

手軽に柔軟にデータを管理・分析できる一方、大量データや高度な可視化には向かないことがあります。コストを抑えてシンプルに管理したい場合に適しています。

Looker Studio

視覚的なデータ可視化に優れ、インタラクティブなダッシュボードを作成できるツールです。Googleのツールと連携しやすく、リアルタイムでデータを更新・表示できるのが大きな利点ですが、複雑な分析や設定にはある程度の学習が必要です。

マーケと営業の役割分担と戦略的連携

業務プロセスごとの役割と主要指標の定義

マーケティングと営業・インサイドセールスの役割を明確にし、業務プロセスごとに主要指標を確認します。

新規リード獲得(マーケティング)

Web広告、SEO、Web媒体、展示会などを活用し、新規リードを獲得します。主要指標は商談数および商談獲得単価とし、質の低いリードの増加を防ぐため、リード数やリード獲得単価はサブ指標とします。

アポ・商談獲得(インサイドセールスまたは営業)

新規リードおよび失注リードの中から優先度を決定し、架電・メールなどを通じてヒアリングを行い、商談の設定を目指します。主要指標は商談数と商談成約率とし、リードの質や量に左右されず商談数の最大化を図るとともに、商談成約率を一定に維持することで事業計画やマーケティング戦略の精度を向上させます。

成約(営業)

商談から契約締結へとつなげます。主要指標は売上とし、成約数をサブ指標とすることで、不必要なディスカウントを抑制します。

定期的なフィードバック・情報共有の仕組み

マーケティング、営業・インサイドセールス間で定例会を定期的に開催します。リード、商談、成約の進捗が計画通りに進んでいるかを確認し、ボトルネックや課題を明確にした上で、適切な対策を協議します。特に各プロセスの到達率に問題がある場合は、両部門で認識を共有する必要があります。

有効率が低い場合の確認事項の例

有効リードの商談化率が低い場合の確認事項の例

このように、マーケティングと営業の連携を強化し、各プロセスでの課題を迅速に特定・改善することで、リードの質を高め、商談・成約の最大化を図ります。

BtoBのWebマーケティングでお悩みの方へ

BtoBでは、ターゲット、商材、社内体制、システム環境によって、Webマーケティングの施策や指標が大きく異なります。一般的な方法論が必ずしも機能するとは限らないため、事業に適した対策を講じることが重要です。BtoBのWebマーケティングでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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